CREST 自己情報コントロール機構を持つプライバシ保護データ収集・解析基盤の構築と個別化医療・ゲノム疫学への展開
研究代表者
佐久間 淳
筑波大学 システム情報系
准教授
研究概要
ビッグデータの継続的な収集蓄積とその解析は、様々な社会上の問題解決の強力なツールとなりつつあります。一方個人情報を含むビッグデータは、プライバシの保護の問題のために、現状では十分な利活用されているとは言えません。近年、複数の情報源から得たデータによるデータ解析において、お互いにデータを秘密にしたままデータ解析を可能にする秘密計算の技術が発展し、プライバシ保護とデータ解析の両立が可能になりつつあります。このプロジェクトでは個人情報が常に暗号化されたまま復号せずにデータ解析することでプライバシを保護するプライバシ保護データ収集・解析基盤の開発を目的としています。
本プロジェクトでは、自己情報コントロールを保証した暗号系によるプライバシ保護データの収集と解析のための計算基盤を構築します。自己情報コントロールの保証とは、「データを外部に見せない」ことのみをもってプライバシの問題を解決するのではなく、「個人毎に」「後からいつでも」「誰のデータを解析できるのか」「誰がデータを解析できるのか」「いつからいつまでデータを解析できるのか」「データはどんな経路で流通するのか」といった要件がコントロール可能であることを加えて保証することで、プライバシの問題を解決するアプローチです。
また本プロジェクトでは、「究極の個人情報」と呼ばれる個人ゲノムを提案基盤の中核的な応用領域と定め、基盤技術構築と個別化医療・ゲノム疫学における実証応用を同時に推進します。
ウェブサイト
http://crest.mdl.cs.tsukuba.ac.jp/index.html